暦部「月」「太陽と月の出入・南中推算表」をくわしく解説!
月は満ち欠けすることと月が地平線近くで太陽ほどは目立たないことから、その出入は月の中心が地平線や水平線に一致する時としている。ただし、精密天体暦である海上保安庁の天体位置表では米英暦等と同じく、月出入も、日出入と同様に月の上端で計算されている。
月は平均 29.5 日の周期で満ち欠けする。三日月は夕方の西空低くに見え、まもなく沈むが、上弦の月は昼に東の空に現われ、夕方南の空に見え、真夜中に西の空に沈む。月の出入や南中は 1 日に平均 50 分遅れる。
月出の時刻のない日がある。たとえば 2006 年 1 月 21 日から 23 日の東京の月出入りは次のようになっている。
日次
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月出
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月入
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1月21日
1月22日 1月23日 |
23時16分
-- 時--分 0時16分 |
10時09分
10時33分 11時00分 |
つまり 1 月 22 日には月出の時刻がない。このことから 1 月 22 日には月が見られないと考える人がいるようだが、それは間違いである。 1 月 21 日の 23 時 16 分に出た月は翌 22 日の昼 10 時 33 分に沈む。つまり 22 日はその日の初めから地平線の上に月が見えている。その次に月出が起こるのは 22 日の夜中を過ぎた 23 日 0 時 16 分になる。
【相馬 充 国立天文台光赤外研究部(2006年4月)】
月出から月入
月の形
月の形と日付の関係は、その月の朔の時刻、運動の遅速によって 1 日くらいずれる。ふつう想像するより 3 日月とは細いものである。