暦部「月」をくわしく解説!
月齢とは
月齢とは、直前の朔(新月)の瞬間を “ 0 ” として、そこからの経過日数をあらわした数値です。
理科年表には、その日の正午における月齢が「正午月齢」として掲載されています。
月齢の計算ですが、たとえば、ある月の 1 日正午がちょうど朔であれば、その日の正午月齢は “ 0.0 ”、 2 日の正午月齢は朔から丸 1 日経過していますので “ 1.0 ”、さらに、月齢は 1 日に 1 ずつ増加して、 3 日、 4 日、 5 日、・・・の正午月齢は “ 2.0 ”、 “ 3.0 ”、 “ 4.0 ”、・・・となり、次の朔になったときに再び “ 0 ” から数え始めます。
【朔が 1 日正午の場合 】
朔が正午でない場合、月齢には小数点以下の端数がつくことがあります。たとえば、ある月の 1 日 21 時が朔だった場合の、翌日 2 日の正午月齢を計算してみましょう。朔から 2 日の正午までには 15 時間が経過しています。これを「日」に換算すると 15 時間 ÷ 24 時間 = 0.625 ですので、小数第 2 位の “ 2 ” を四捨五入して、 2 日の正午月齢は “ 0.6 ” となります。
以後、 3 日、 4 日、 5 日、・・・の月齢は “ 1.6 ”、 “ 2.6 ”、 “ 3.6 ”、・・・と進みます。
【朔が 1 日 21 時の場合 】
地球の中心から見たときに、太陽と月の黄経が一致した瞬間を「朔 (新月)」、月が太陽より 90 度東にきた瞬間を「上弦」、月と太陽が 180 度離れた瞬間を「望(満月)」、月が太陽より 90 度西にきた瞬間を「下弦」と呼びます。
月は平均約 29.5 日の周期で満ち欠け(新月 → 上弦 → 満月 → 下弦 → 新月 )を繰り返します。それぞれほぼ等間隔ですので、月齢 7 前後で上弦、15 前後で満月、 22 前後で下弦、 29.5 前後で次の新月となります。月が移動する速さは一定でないため、必ずしもぴったり決まった月齢にはなりませんが、月齢を月の満ち欠けの目安にすることができます。
たとえば、「中秋の名月」は、現在は使われていない暦である「旧暦」の 8 月 15 日の月をいいます。旧暦では、新月を含む日を 1 日目として日付を振っていました。この数え方では、毎月 15 日の月齢は 14 前後になりますので、 8 月 15 日の月は必ず満月に近い形になります。ただし、中秋の名月の日の月齢が、 15 ではなく、それより 1 小さい 14 前後になるうえに、月の動きがそれぞれの年で一定でないために、中秋の名月の日に必ず満月になるとは限りません。
【石崎昌春 国立天文台天文情報センター(2006年11月)】
【 参考 】
http://moon.jaxa.jp/ja/koyomi/html/html/ms_2.html (JAXA) http://www.kahaku.go.jp/exhibitions/vm/resource/tenmon/
space/moon/moon01.html (国立科学博物館)