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平成24年【序文】

 理科年表2012年版をお届けします.
 本年2011年3月11日に発生した東日本大震災は,まさしく記録的な大災害でした.亡くなられた方々のご家族,並びに,被害を受けられた方々の悲しみやご苦労は如何ばかりかと心が痛みます.理科年表としても,巻末に「特集」を設けて,各分野の専門家による解説を掲載しました.大地震そのものの解説もありますが,大震災の生物に及ぼす影響や,福島第一原子力発電所の事故に伴う放射能汚染など,多方面からの解説も掲載しました.さまざまなメディアから飛び交う情報を,これらの解説によって少しでも整理ができるのではないかと思います.
 「暦部」では,日本の多くの地域で観測可能な2012年5月21日の金環食を含めた日食の情報を載せてあります.「天文部」では,国際天文連合や教科書でも推奨されているSI単位系で数値を表すことにしました.
 「気象部」では,データの10年ぶりの全面大改訂がなされています.これまでの理科年表の気象に関する平年値のデータは,「1971-2000年」の30年間の平均値を掲載してきましたが,2012年版からは,「1981-2010年」の数値に更新されています.これによって,日常のさまざまな気象データを,より新しい平年値と比べることができるようになりましたのでぜひ活用してください.
 元素の原子量は,炭素原子(12C)の質量を12として,その相対質量として表しますが,国際純正・応用化学連合の原子量および同位体存在度委員会が原子量データの大改訂を行ったことに伴い「物理_化学部」で関連データの大改訂を行いました.
 「地学部」では,当然ながら,3.11東北地方太平洋沖地震の情報を掲載しました.
 「生物部」では,最近話題の“ゲノム医学・ゲノム医療”を,「環境部」では,“エネルギー・環境問題とバイオマス”を,それぞれトピックスとして掲載しました.
 どうぞ,理科年表2012年版の新たなデータをお使いください.
 

  2011年 10 月

国立天文台 台長 観山 正見  

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