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平成30年【序文】

理科年表2018年版をお届けします.
2017年は7月に九州北部豪雨がありました.災害に遭われた方々にお見舞い申し上げます.9月には巨大な太陽フレアがあり、また土星探査機カッシーニが13年の探査を終えて土星に突入しました。
 さて,2018年版で改訂したおもなデータや解説は以下のとおりです.
 「暦部」は2018年のデータに更新しました.2018年には部分日食が3回,皆既月食が2回ありますが,残念ながら日食は日本では見ることができません.
 「天文部」では,トピックスとして「太陽系に最も近い恒星を周回する地球型惑星の発見」と「氷衛星 EnceladusとEuropaの地下海の発見」を掲載しました.
 「気象部」の「日降水量・1時間降水量・10分間降水量の最大記録」を見ると,10分間降水量において2000年代の最大記録が増加している傾向が読み取れます.
 「物理/化学部」では,113番元素「ニホニウム」,115番「モスコビウム」,117番「テネシン」,118番「オガネソン」の名称が正式決定されたことにともない,これらの元素のデータを「原子量」,「原子およびイオンの電子構造」に掲載し,「元素の周期表」も改訂しました.
 「地学部」では,西暦416年から現在に至るまでの長期データを記載している「日本付近のおもな被害地震年代表」を全面的に見直し,記述も大きく変更しました.
 「生物部」では,トピックとして「ウイルスとウイルス感染症」を掲載しました.ウイルスとは何かに始まり,ウイルスが宿主の病気を引き起こすメカニズム,消毒液や抗生物質がどのようにウイルスに働くのか,対策としてのワクチンまでを解説しました.
 「環境部」では,今春,再々改訂された環境省第4次レッドリストの内容を反映し,また先立って公表された海洋生物レッドリストも追加しました.
なお,理科年表オフィシャルサイトでは,過去のトピックスの後日談も順次掲載しています.また,調べ学習の授業にそのまま使える便利なワークシートの提供も予定しています.
どうぞ,理科年表2018年版のデータをご活用ください.


2017年10月

国立天文台 台長 林 正彦 

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