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気温の平均値などどのような算出方法を用いているのでしょうか?

 統計値の求め方はすべての観測要素に共通しているが、時別の観測値を平均または合計して日の値を求め、その平均または合計から月の値を、さらにその平均または合計から年の値を求める。したがって 28 日の月と 31 日の月では日数に約 10 % の差があるが、平均値を求めるときは同等に扱う。平均値や合計値を求める期間としては、日、半旬、旬、月、年がある。目的により 1 年を越える期間について平均値を求めることがあり、累年平均値と呼ぶ。



 最もよく利用される累年平均値は平年値である。これは西暦年の 1 位が 1 の年から数えて、連続する 30 年間について算出した累年平均値で、その統計期間に引き続く 10 年間使用する。したがって 2001 ~ 2010 年の間は、 1971 ~ 2000 年のデータから求めた平年値を使用する。



 平年値の統計期間については、世界気象機関 WMOの前身である国際気象機関IMOが 1935 年に 1901 ~ 1930 年の 30 年間を平年値の統計期間とすることを勧告した。その後 WMO が 1956 年に、平年値を 10 年ごとに計算し直すことを勧告し現在に至っている。 WMO の資料によると、地域や要素により平年値として 10 年間の統計で十分なものや 50 ~ 80 年程度必要なものもあるが、局地的な短期変動の除去や均質なデータが得られる地点数などを考慮し、30 年間の統計が採用された。



 観測地点の移設などの理由により統計期間中に資料なしの年がある場合には、その年を除いて統計する。ただし資料なしの年数が統計期間の 20 %以下であること、および統計に用いた資料年数が 8 年以上あることが必要である。



 平年値とともによく利用される気象統計値が、最大値など 気象庁では極値統計と呼んでいるである。極値は、ある期間に観測された値の最大 最高 ・ 最多値または最小最低・最少 値をいう。日最高気温や日最大瞬間風速のように観測値として得られるものもあるが、月間、年間またはそれ以上の期間についての極値は、統計操作によって得られる。累年の極値は統計の年数によってその値が大きく違い、年数が増すほど最大値は大きく最小値は小さくなるのが普通 である。ある地点で最も長い統計期間が「観測開始以来」であるが、観測場所が移転するなど観測環境が大きく変化した場合は、単純に比較できないので注意を要する。

【山内豊太郎(2006年11月)】

【 参考文献 】
気象庁 :地上気象観測統計指針 』
気象庁ホームページ
http://www.data.kishou.go.jp/mdrr/shishin/shishin_5.pdf

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