天気の種類はいくつあるのですか。その記号も教えてください。
天気とは、ある時刻またはある日の大気現象や雲の状況を総合的に表わす表現とでもいえるでしょう。 ある時刻の天気は、降水現象、視程障害現象、雷などの大気現象や雲を観測し、決めます。誰が観測しても紛れのない比較的簡単な天気であることが多いのですが、複数の大気現象が同時に発生している場合や、状況が激しく変化しているときなどかなり決めにくい天気もあります。
気象庁には、目的に応じて以下に述べるいくつかの天気の取り方があります。
( 1)国際気象通報式による天気
気象機関が国際的に情報交換するために作られた国際気象通報式の中で地上実況通報式としてコード化された天気で、現在天気と過去天気があります。現在天気は、観測時または観測時前 1 時間内の天気現象から判断し、 00 から 99 の 100 種類に分類されます。また過去天気は、日本時間の 03、 09、 15、 21 時には観測時刻の前 6 時間に起こった現象を、 06、 12、 18、 24 時には観測時刻の前 3 時間に起こった現象を対象にし、 0 から 9 の 10 種類に分類されます。これらの記号は気象庁内で使用する天気図に記入されますが、数が多いのでここでは省略します。
( 2)気象庁が観測している天気の種類
国際気象通報式による天気は種類が多く、また市民生活を考慮した分類でないので、通報式の現在天気から 15 種類の天気(観測時刻の状況だけで決まる )に変換して記録しています。以下の条件によって決めます。
ア. |
同時にいくつかの現象がある場合の優先順位は、次のとおり。
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イ. |
上記の現象がない場合、雲量で決める。 雲量 0 ~ 1 : 快晴、 2 ~ 8 : 晴、 9 ~ 10 : 薄曇(上層雲が見かけ上他の雲より多い場合 )または曇(中層雲及び下層雲が見かけ上上層雲より多い場合 )
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ウ. |
天気を煙霧とする必要条件は、煙霧、ちり煙霧、黄砂、煙、降灰によって視程が 1 km 未満であること。
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エ. |
天気を砂じんあらしまたは地ふぶきとする必要条件は、視程が 1 km 未満であること。
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オ. |
低い霧または氷霧のときは天気として霧に含まれるが、地霧 (目の高さの水平視程は 1 km 以上であるが、地面近くに霧がある場合)は含まれない。
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カ. |
霧雨と雪が同時に降っている場合は、みぞれに含まれる。
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キ. |
霧雪は、雪に含まれる。
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ク. |
雪あられ、氷あられ、凍雨は、あられに含まれる。
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ケ. |
雷は観測時前 10 分以内に雷電(電光と雷鳴 )または雷鳴が観測された場合とし、電光のみが観測された場合は雷とはしない。 |
( 3)日本式天気記号
ラジオ天気図(気象通報)を記入する際に使用するため、上記 (2)に気象現象の強弱などを加えた 21 種類の天気分類があります。記号はあらかじめ天気図上に書かれた ○ 印に描き込みます。
【山内豊太郎(2008年 3月)】
【 参考文献 】
嶋村克・山内豊太郎 :『天気の不思議がわかる本 』、p.230、廣済堂(2002 )