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平成20年【序文】

2008年版の理科年表です。
昨年、国際天文学連合の総会で決定された定義により、冥王星が惑星から外れ、和名で『準惑星』と呼ばれる種族の代表となりました。これに従って「暦部・天文部」では改訂を施しましたが、とくに、小惑星のページを全面的に改訂し、新たに『準惑星』、『太陽系小天体』の詳細な解説項目を作成しました。一時の騒ぎも収まり、惑星や準惑星の定義自体にもさらなる検討が必要ではないかなど、より深い議論が始まっています。また、最近までの発見で、250個を超えた太陽系外の惑星についても、しっかりとした議論と、太陽系外の惑星の定義が確立することを、私は望みます。
今年は国内外で異常気象、自然災害が相次いで起こりました。猛暑日が続き、観測史上最高気温を更新し、中越地方では大地震の発生がありましたし、国外でもペルー大地震など、世界規模で異常気象、自然災害が猛威をふるっています。「気象部」では、国内の最高気温のランキングや気象災害データを掲載しており、気象変動や災害の変遷がわかります。気象変動の異常さや各地の地震などの大きさが、過去のデータと比較することでよくわかります。また、「環境部」では、国内の最高気温更新の要因となったエルニーニョ現象や、地球温暖化に大きな影響を及ぼす大気物質のデータなど、環境に及ぼす基礎情報となるデータを掲載しております。  「地学部」の地質年代表では、『更新世』の始まりが、2008年版の改訂で、百万年近く修正され2.6百万年となりました。さらに、第三紀の名称をなくすことが決定しました。古第三紀、新第三紀は現状ではそのままとなっていますが、今後の改訂が予想されます。
 そのほかにも新たなデータの更新や蓄積によって、理科年表のデータは毎年改訂されています。新たなデータの蓄積から、新たな現象や法則の発見も可能かもしれません。
 

  2007年 10 月

国立天文台 台長 観山 正見

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