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平成22年【序文】

 理科年表2010年版をお届けします。
 理科年表は、新しくわかったデータ、蓄積・更新されたデータ、新事実などを含めて毎年改訂しています。したがって、理科年表は、旬なデータを掲載している「生もの」です。  今年版で改訂したおもな点は、以下のとおりです。
 「暦部」「天文部」では、東京の経緯度の基準点として経緯度原点の値を採用しました。この結果、従来の基準を使うものより、太陽の南中時などわずかな差が出てきます。基準点を変更した経緯と歴史について解説を載せました。「天文部」では、2009年は、すばる望遠鏡完成10年にあたるため、成果特集として解説をもうけました。
 「気象部」は、集中豪雨などにより、各地の降水量等の記録が塗り替えられましたので、その更新を行いました。一方、地球温暖化といわれて久しい中、2009年は、東京など一部では、猛暑日が少ないか、なかった所がありました。また、節目の年で、再統計や古い過去のデータの統計切断によって、過去の各種の平均値などに変更が入っています。
 「物理/化学部」には、ノーベル物理学賞を受賞された南部陽一郎博士の自発的対称性の破れを追加しました。また、化学では約50個の元素について、発見者と発見年を加えました。「地学部」では、地理情報を最新データに更新しました。とくに、市町村合併に伴う面積の増減、人口の増減などを更新しました。また、地震関連では、2009年に公表されたもっとも新しい震度階級の解説表が掲載されています。
 「生物部」では、宇宙と同じくらい謎の多い深海や、生物学の急速な発展によって必要度が増した生命情報のデータベース化など、最先端情報の解説を行いました。「環境部」では、年々問題となっている黄砂について、その定義や、観測のしかたを載せました。さらに、様々な環境データの蓄積と経年変化から、地球環境の変化が読み取れます。
 理科年表2010年版の旬なデータをお使いください。なお、理科年表へのご意見やご要望、お気づきの点がありましたら、読書カードや理科年表オフィシャルサイトの質問フォームにお寄せください。どうぞよろしくお願いします。
 

  2009年 10 月

国立天文台 台長 観山 正見 

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