理科年表オフィシャルサイト

もっと身近にサイエンスを      国立天文台 編

MENU

平成26年【序文】

 理科年表2014年版をお届けします.
 2013年にはロシアに隕石が落下したり,小惑星が月軌道の内側まで近づいたりしました.また,高知県四万十市では国内における史上最高気温41℃ を記録し,台風,豪雨,竜巻などによる被害も相次ぎました.
 さて,2014版で改訂したおもなデータや解説は以下のとおりです.
 「暦部」では2014年のデータを掲載しています.今年は1月と3月に2回ずつ新月がある一方,2月にはありません.このような現象は概ね19年ごとに起こります.
 「天文部」では,2014年版から「小惑星」や「隕石」に関する項目を新設します.また,とくに赤外線に重点をおいて,大気透過の窓と測光バンドとの対応や,高度,水蒸気量との関係などにも触れます.トピックスでは,観測を開始したALMA の初期成果に触れました.
 「気象部」では,昨年に引き続き集中豪雨による各地の記録的降水量や温暖化・都市化の影響も考えられる最高気温の更新など,2012年の観測情報に更新しました.
 「地学部」では,約20年ぶりに世界の地震分布図を改訂しました.世界のどこで地震が頻発しているのかひと目でわかります.また,気象庁では東日本大震災の津波災害の教訓を活かして,津波警報を改善しましたので,本年度版より新たな基準で掲載してあります.そのほか,日本の過去2000年間の地磁気変化のデータなども新規掲載しました.
 「生物部」ではトピックスとして「幹細胞研究と再生医療」と「バイオリソース」を掲載しました.
 「環境部」では,大気中のCO2を海水が吸収することで生じる海洋酸性化の観測データを新規掲載しました.また,原発事故以降関心の高い放射線関連データも1ページ増やしました.
 どうぞ,理科年表2014年版のデータをお使いください.

2013年10月

国立天文台 台長 林 正彦 

閉じる