免疫担当細胞の種類と分化
リンパ球、マクロファージ、樹状細胞などの免疫担当細胞は赤血球、巨核球、顆粒球などと共通の造血幹細胞(骨髄などの造血器に存在)から分化してくる。赤血球系、巨核球系に分化するものと顆粒球系・単球系に分化するもの、リンパ球系に分化するものが分かれる。顆粒球 (好中球など)と単球(マクロファージ)とが分化し、リンパ球系前駆細胞から B細胞が、残りから NK細胞、NKT細胞が、そして T細胞が分化してくる。T 細胞はおもに胸腺内に入って分化するが、肝や腸など胸腺外でも分化する。成熟T 細胞は CD4分子を表出するもの(CD4+ )と CD8分子を表出するもの(CD8+ )とに大別される。 CD4+T細胞はさらに分担機能が異なる Th1細胞、Th2細胞、Th3細胞、Th17細胞、Tr1細胞、CD4+CD25+T細胞に分化する。それぞれのリンパ球亜群の機能については「各免疫担当リンパ球に特徴的な表面分子と機能」参照。 樹状細胞は顆粒球系・単球系、リンパ球系、いずれの前駆細胞からも分化してくる。
【矢田純一 東京医科歯科大学名誉教授(2008年 3月)】