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第7回 物質の発火点

                    2025年版 P.426物理66

 

「火を燃やすのは愉しかった」の一文から始まるレイ・ブラッドベリによる1953年のディストピア小説『華氏451度』。この華氏451度とは、紙が自然に燃焼を開始する発火点を指している。普段、私たちは摂氏度(セルシウス度、℃)を使っているので、華氏度(ファーレンハイト度、℉)にはなじみがないが、現在も一部の国や地域では華氏度が採用されている。さて、華氏451度は摂氏にすると何℃になるのだろうと気になるのだが、華氏から摂氏へは(℉-32)÷1.8=℃で計算できる。451℉は摂氏にすると約233℃。空気中が230℃を超えると紙は自然に発火するようだ。理科年表の物理/化学部には、「物質の発火点」という表がある。紙としての記載はないが、近いものだと新聞紙の291℃(約556℉)、まぁそんなに遠くない数字。この表の面白いのは、ココアやコーヒーの発火点まで掲載されているところ。これから本格的に寒くなると温かい飲み物が恋しくなるが、ココアやコーヒーを飲むさいは、くれぐれも自然発火にはご注意ください。

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