第10回 12月32日⁉
テレビやラジオの深夜番組などで、「25時」のように24時を越えた時間を目や耳にすることがある。日本人なら誰しも「あぁ深夜1時ね」と理解できるのだが、海外の方はおおいに困惑するらしい。どうも日本独特の表現のようで、翌日の1時と言われるより、まだ今日の延長であると捉えたい日本人の生活リズムにも関係しているようだ。じつは、理科年表でも同じような表記がある。暦部では、データが年をまたいでしまう場合、12月32日以降の日付が表れる。そのため、「これは誤植ではないか」といった問い合わせが結構多く寄せられる。最初のページの凡例に「1月0日以前は前年の、12月32日以降は翌年の日付を表す。たとえば1月0日=前年12月31日、1月-1日=前年12月30日、12月32日=翌年1月1日、12月33日=翌年1月2日である」と説明があるのだが、25時、26時といった表現に日頃から慣れ親しんでいても、やっぱり不思議に思うようである。




