第12回 レンガ?鈍器?いいえ理科年表です
1,000ページを超えるような分厚い文庫本を一部界隈では「レンガ本」「鈍器」などと呼んでいるらしい。現在、その中でも圧倒的なレンガ本は、京極夏彦氏の『絡新婦の理』(じょろうぐものことわり 講談社文庫)で1,408ページもある。理科年表は創刊時346ページでスタートしたが、情報量は年々充実し、生物部が新設された「昭和59年版」の翌々年、「昭和61年版」でついに1,000ページの大台に乗った。その後、「平成17年版」で環境部が新設されるなどを経て、いまや1,200ページ超、創刊時の約3.5倍にまでボリュームアップしている。ポケット版(A6判)と文庫サイズがだいたい同じなので、「レンガ本」「鈍器」の仲間入りだろうか。確かにレンガ塀に一つ穴が空いてたらなんかきれいに収まりそうだし、殺人現場で被害者の傍らに理科年表が転がっていたら凶器だと思えなくもない、ことはないか。




